前半では住職が福岡へ戻ってくるまでのことを伺ってきました。後編では福岡へ戻ってこられて以降について伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。
浦住職:よろしくお願いいたします。
ー15年ほど高野山大学でお勤めされて福岡へ戻ってこられたということですが戻ってこられてどのくらい経っているのでしょうか?
浦住職:今年で18年くらい経ちます。福岡へ戻ってきてからは父と2人で実家のお寺を切り盛りして5年前に地蔵院へ移ってきました。
ー戻ってこられてから大変なことなどありましたか?
浦住職:最初はやっぱり苦労しました。実家のお寺も大きいわけではないので、父がメインでやっていて私はいろんなお寺さんにお手伝いに行かせて頂いたりすることで何とかカツカツながらも食べていけました。幸い妻も働いてくれたので良かったです。
ーコロナウイルスの影響はありますか?
浦住職:かなり大きいです。お盆のお参りやお彼岸のお参りなどはコロナウイルスの影響で遠慮させてくださいという方が多かったです。お盆とお彼岸で半減していて去年と比べると今年の方がコロナに対する認識が強くなっている分更に減りました。
ーなるほど、逆にお寺でのお勤めのやりがいやモットーを教えていただけますでしょうか。
浦住職:真言宗というのはお参りに来られるのはいろんな宗派の方がいらっしゃるんです。そういう方は檀家さんではなく信者さんと呼んでいるのですが、真言宗は広く門戸を開いているのでいろんな方がお参りに来られますし祈願も来られます。その中でいろいろと相談を受けるのですが私がお話をさせていただいているのは、今のご自身があるのはお父さんお母さん、ひいてはおじいちゃんおばあちゃん達とご先祖がいたからこそなので仏壇に手を合わせることは忘れないようにしましょうということを一番に伝えています。
ー先祖を敬うことは本当に大切ですよね。
浦住職:朝起きて手を合わせてお仏壇に向かっておはようございます、寝る前はお仏壇に向かってお休みなさいと手を合わせることが大事だと言っています。私自身も小さいころから祖母にそうやって教えられました。
ーなるほど、お婆様からの教えが住職の中に生きているわけですね。
浦住職:そうですね。話は少し変わるのですが仏教はどうしてもお葬式や法事といったものが一般の方々には根付いていて逆に神社は祈願のイメージがあると思うのですが、真言宗や他のいくつかの宗派は祈願もしているんですね。なので本堂には太鼓を置いていてこの太鼓をたたいて祈願をさせて頂いたりもしています。
ー祈願もされるんですか?確かにイメージに無いかもしれません。
浦住職:仏教は一言で言うと葬式だけではないんです。今は葬式仏教っていうイメージですが昔は神仏習合と言いまして明治の廃仏毀釈まではお寺であっても神社であっても仏様と神様を隔たり無くお祀りしていいという暗黙の了解があったんです。廃仏毀釈によってお寺では仏様、神社では神様をお祀りしなさいとはっきりと線引きがされて今ではお寺と神社がはっきりと分かれた形になりました。
ーなるほど、昔と今でお寺と神社の関係が違ったんですね。続いて住職が想うお寺の魅力やお参りに来られた方に見てほしいポイントなどを教えてください。
浦住職:ポイントで限定するよりはお寺全体を見ていただけると嬉しい限りです。せっかくお参りに来ていただいたのであれば外のお地蔵さんをお参りしていただいて、階段を登ってきていただいて中まで入っていただいてお参りしていただくのが一番いいと思います。
ー先祖を敬うことは本当に大切ですよね。
浦住職:朝起きて手を合わせてお仏壇に向かっておはようございます、寝る前はお仏壇に向かってお休みなさいと手を合わせることが大事だと言っています。私自身も小さいころから祖母にそうやって教えられました。
ーなるほど、お婆様からの教えが住職の中に生きているわけですね。
浦住職:そうですね。話は少し変わるのですが仏教はどうしてもお葬式や法事といったものが一般の方々には根付いていて逆に神社は祈願のイメージがあると思うのですが、真言宗や他のいくつかの宗派は祈願もしているんですね。なので本堂には太鼓を置いていてこの太鼓をたたいて祈願をさせて頂いたりもしています。
ー祈願もされるんですか?確かにイメージに無いかもしれません。
浦住職:仏教は一言で言うと葬式だけではないんです。今は葬式仏教っていうイメージですが昔は神仏習合と言いまして明治の廃仏毀釈まではお寺であっても神社であっても仏様と神様を隔たり無くお祀りしていいという暗黙の了解があったんです。廃仏毀釈によってお寺では仏様、神社では神様をお祀りしなさいとはっきりと線引きがされて今ではお寺と神社がはっきりと分かれた形になりました。
ーなるほど、昔と今でお寺と神社の関係が違ったんですね。続いて住職が想うお寺の魅力やお参りに来られた方に見てほしいポイントなどを教えてください。
浦住職:ポイントで限定するよりはお寺全体を見ていただけると嬉しい限りです。せっかくお参りに来ていただいたのであれば外のお地蔵さんをお参りしていただいて、階段を登ってきていただいて中まで入っていただいてお参りしていただくのが一番いいと思います。
ーお寺でヨガ教室など魅力的な活動もされていると伺っているのですが。
浦住職:はい、5年程前に始めました。と言っても私が主導でやっているわけではなく、先生方が主導でやられていて私は場所を提供しているだけになります。ヨガ教室と同時に書道教室も開催されていてご希望があれば写経もできます。
ー写経もできるんですね!一度やってみたいです。
浦住職:基本は先生が与えてくださったお題に対して筆を取るのですが、ご希望頂ければ写経の用紙はご用意できますので体験していただく事が出来ます。他にも不定期にはなりますが年に2回程キャンドルナイトといって本堂の電気を消してキャンドルだけを灯してヨガをする企画や早朝6:30や7:00にヨガをスタートして終わった後にお接待としておかゆを振舞うなんてこともさせていただいています。
ーなるほど、今はお寺でヨガをされているところも増えてきましたが5年前だとかなり先駆者だったんじゃないですか?
浦住職:そうみたいですね。始めてすぐにありがたいことにKBCさんやFBSさんなどのテレビ局が立て続けに取材に来てくださいました。本当に先生方の努力のおかげだと思っています。私は特段表にでることはなくただ場所をお貸ししているだけの身なので。
ーお寺という特別な空間でヨガや書道が出来るていうのは本当に素敵ですね。
浦住職:うちは本当にこのお寺が皆さんの心の想い出になっていただければという思いがあります。皆さんに喜んでいただけるというのが仏教の根本の一つでもありますし、笑顔になっていただいて心が安らいでいただければ私にとっては一番嬉しいことです。
ーなるほど、とても素晴らしいですね。話は変わりますが四国のお遍路っていうのは真言宗が元となっているのですか?
浦住職:四国のお遍路は一部宗派の違うお寺がありますがほとんどのお寺が真言宗のお寺になります。弘法大師がお生まれになったのが四国の香川県の善通寺ということもあり、お大師様がいろいろと修業に行かれたことが由来となっています。
ー住職もいかれたのですか?
浦住職:88か所すべてではありませんが私も回ったことがあります。住職だからと言って必ず回らなければならないという決まりはなくて回り方も人それぞれで歩いて回る方もいれば車で回られる方もいらっしゃいます。お遍路のツアーなんかもあったりしていろんな回り方があるんです。
ー車で回ってもいいんですね。てっきり歩きじゃないといけないものだと思ってました。距離もかなりあるんですよね?
浦住職:88か所すべてを回るのにだいたい1,200㎞くらいあるといわれています。普通の人が歩きで1か月半くらい、早い人でも1ヶ月はかかると言います。
ー果てしない距離ですね。
浦住職:起伏もありますし山の中にあるお寺もあるので全部を歩いて回るとなるとかなり大変だとは思います。ただ旅館に泊まったりホテルに泊まったりもできるので私はとても楽しかったです。
ーなるほど、色んな楽しみ方あるんですね。続いて、地蔵院が位置する愛宕や姪浜周辺の魅力を伺ってもいいですか?
浦住職:自然が多いのはとても良いですね。特にこの辺りは愛宕の山や室見川があって春は白魚、秋は紅葉など四季折々の表情を見せてくれるのは魅力的だと思います。福岡って都会ってイメージがありますけど西区までくると程よく自然や田舎の風景も残ってて地下鉄も通っているのでとても便利な場所でもあります。自然とうまく協和して行けているのではないかと思います。
ーありがとうございます。ここまで長い時間いろいろとお話ししていただき有難うございました。最後にホームページを御覧の方々になにかメッセージをお願いします。
浦住職:近くへ来られることがあればぜひお参りされて心を洗われてください。手を合わせるだけでも心が洗われると思いますので手を合わせてみる勇気、お参りする冒険をしてみるのも楽しいのではないかと思います。
ー今日は本当にありがとうございました。
浦住職:ありがとうございました。
高野山 真言宗 愛宕山 地蔵院
浦 芳誠さん
愛宕山の麓に位置する高野山 真言宗のお寺【愛宕山 地蔵院】で住職を勤める。手を合わせることで先祖への感謝の気持ちを大切にすることを唱え、地域を盛り上げるために様々な活動にも従事している。