能古島おがわ農園 小川 舞さん ┃ 能古島への移住・新規就農を果たした若手農家から見える能古島の景色とは(後編)

前編では『おがわ農園』さんの創業についてお話を伺ってきました。後編ではピーナッツもやしにフォーカスをあてながら、移住組の視点ならではの能古島の魅力について伺っていきます。

ー後編もよろしくお願いします。

小川 舞さん(以下『小川』):よろしくお願いします。

ーブルーベリーにつきましては糸島の農家の方から研修をうけてと伺いましたがピーナッツもやしはどういった経緯で始めることになったのでしょうか。

 

小川:もともとは、私たちが農地をお借りしている農家さんが30年前くらい前に開発されて、作っていたんですがご高齢で体調が悪くなり栽培が難しくなってしまったんです。飲食店様から注文の電話やFAXが来ていましたが出荷できない状況を見ていました。「このままでは飲食店様が困ってしまう」と思うようになり当初はお手伝いという形で栽培を始めました。

ーなるほど、求めてくださる方がいらっしゃるのに提供できなくなるのは確かに勿体ないですもんね。

小川:そうですね。ただ私たちが今みたいに作れるようになるまで試行錯誤の連続でした。というのもより効率よく栽培する為、自分たちで新しい施設を作り、新しい方法で栽培することにしたんです。でも少し栽培環境が変わるだけで全く育たなかったりして、いざ作ってみると上手く行かず大変でした。

ー今のピーナッツもやしになるまでにご苦労があったわけですね。

小川:そうですね、大変でした。今でも日々試行錯誤をしていますが安定して出荷ができるようになってきてお客様に喜んで頂けるので本当に良かったと思います。


ーなるほど、能古島発祥のピーナッツもやしということですが生産されているのはおがわ農園さんだけなのですか?

小川:おそらく、個人の農家としては当園だけだと思います。

ー他に始められる方がいないのは何か理由が?

小川:最適な環境を作る事と出荷までにすごく手間のかかる作業が多いからだと思います。手作業で選別しながら皮や根っこを取り、お客様によって大きさや形を選別する作業があったりと手間はかかりますね。

ーすべて手作業なんですね、確かに簡単には始めるのは難しそうですね。

小川:そうかもしれません。あとは取引先が飲食店のお客様が多いので週末に届けられるように発送をしなければいけないので調整が大変ですね。

ーなるほど、ピーナッツもやしの生産にはそういった苦労があるわけですね。

小川:そうですね。作業は大変ですけど能古島発祥ですし、絶やしてはいけないという気持ちは大きいです。ありがたいことにお問合せも沢山いただいているので頑張っていきたいと思っています。

ーありがとうございます。続いてですが今のお仕事のやりがいをお伺いさせてください。

小川:ピーナッツもやしもブルーベリーもそうなんですけど、お客様が見て食べてビックリしてくださるのはうれしいですね。

ピーナッツもやしは見た目からもわかりやすく普通のもやしとは全然違うので見てビックリされる方が多いです。

ーたしかにインパクトありますよね、私も初めて見た時はこんなに大きいんだってびっくりしました。

(能古島発祥のピーナッツもやし。一粒一粒が大きく塩ゆでや天麩羅などにして食べるのがおススメ。)

小川:ブルーベリーは酸っぱいというイメージがあるので、当園のブルーベリーを食べられたお客様は「ブルーベリーってこんなに甘いんだ!」って仰って喜んでくださるので本当に嬉しいですね。

ー先ほど頂きましたが本当に美味しかったです。皮ごと食べられるので子供たちも喜んで食べそうです。

小川:ありがとうございます。お客様が喜んでくださるのがこの仕事のやりがいですね。

(ブルーベリーは非常に甘く程よい酸味で皮まで食べられるので小さいお子さんにもおススメです。)

ーありがとうございます。それでは続いて能古島の魅力をおしえてください。

小川:やっぱり島全体がのんびりしているところですかね。ちょっと行けば海も見えるし、本土も近いですから。

ーたしかに、糸島市などと比べると実は全然近いですよね。

小川:そう、船でたったの10分です()
 

(能古島と本土を繋ぐフェリー『レインボーのこ号』)

ー小川さんは島外からの移住組になられるわけですが移住してきたときの島民の方達の反応はいかがでした?

小川:近所の方々とはすぐにうちとけることが出来たので良かったと思います。周りの皆さんから本当に助けてもらってます。能古島って観光地なのでよそから誰かが来るってことにすごく慣れてらっしゃるっていうのは感じました。

ーなるほど、島民以外の人が来ることが普通になってるんですね。

小川:地方特有の難しさってのいうは多少あるかもしれませんけど皆さん本当に優しい方ばかりで楽しいですよ。近所の方々もうちの子を可愛がってくれていつもほっこりしてます。

ーそういう地域のつながりを持てるのって素敵ですよね。

ーそれでは逆に小川さんが思う能古島が抱える問題を教えていただきたいです。

小川:はい。やはり冬の閑散期に入ると島内の収入が減る、というのが課題だと思っています。

冬のシーズンは観光客が少ないっていうのは伺ってます。


小川:冬に楽しめる場所が必要だと思っていてそこを当園でも何とかできないかなと考えています。

ーなるほど、通年で観光客が沢山訪れるようになればということですね。

ーということで今日はたくさんのお話しを有難うございました。最後に何か一言お願いします。

小川:ブルーベリーやピーナッツもやしはもちろん、能古島で栽培されるおいしい野菜や果物を沢山の方に食べていただきたいと思っております。観光に来られるお客様や島民の方々にもっと笑顔になっていただけたるよう頑張りたいと思います。

ー本当に今日はありがとうございました。

小川:ありがとうございました。

 

 

(能古島おがわ農園のマスコットキャラクターの『エミュー』。とても人懐っこく愛嬌があり来園者を出迎えてくれる。)

能古島おがわ農園

小川 舞さん

2016年に能古島へ移住し新規就農。ブルーベリーやピーナッツもやしを栽培している。能古島発祥のピーナッツもやしは福岡のみならず東京の有名店などからも注文が入るほどの人気を誇る。今年の7月からは食べ放題のブルーベリー農園もオープンし観光農園にも力を入れていて能古島の未来を担う若手農家である。

【能古島おがわ農園】

住所:福岡県福岡市西区能古284-1

TEL:070-2645-8820

E-mail:nokonoshima.ogawa@gmail.com

営業時間:9:00~17:00

ホームページ:https://nokonoshima.jimdofree.com/