前編ではのこのしまアイランドパークを運営する久保田観光株式会社の代表取締役社長、久保田晋平さんにのこのしまアイランドパークができてからこれまでについてお話を伺ってきました。後編では長年のこのしまアイランドパークを経営してきた久保田社長だからこそわかる能古島の魅力や能古島が抱える問題などを深堀りしていきます。
ーそれではここからは後編ということでよろしくお願いします。
久保田晋平(以下「久保田」):よろしくお願いいたします。
ー久保田社長から見た能古島の魅力は何ですか?
久保田:住みやすい街ランキングなどでもいつも上位に挙がってきてプロの野球チームやサッカーチームがあるような福岡市という栄えた街で船で10分で来ることができる島ってなかなか無いと思うんですよ。
観光で来る場合、必ずしもアイランドパークに来られなくても良いと思っていてちょっとしたピクニックで使うにも自然も豊かなんでいいと思うんです。他にも能古島って1周が約10キロなんでランニングのコースにもとてもピッタリなんですよね。ちょうどいい具合にアップダウンもあるので「いい練習になる」とランナーの方達にも人気だったりするんです。
(上空から撮影された能古島)
ーなるほど、アイランドパークにばかり目が行きがちですけど他にも様々な楽しみ方があるということですね。
久保田:そうですね、のこのしまがニューヨークのセントラルパークのような都会のオアシスのような使い方ができる島だよっていうことをPRしていきたいです。
ーなるほど、確かに福岡市って都会と自然が良い距離で楽しめますよね。能古島で栄えて欲しい産業はありますか?
久保田:過疎化と高齢化でどんどん能古島の農家さんが減っていっているので増えて欲しいですね。本当はもっと島で獲れた野菜が能古島内で消費され能古島以外でも食べてもらえるようになって欲しいです。
ーなるほど、過疎化が進んでいるということ聞いています。やはり能古島が抱える問題はそこですか?
久保田:そうですね、島の若い人たちは本土に行ってしまって島民は減っています。農家の方のみならず減っていて後継者不足の問題は深刻ですね。旅館や飲食店にしてもお客さんは来るので経営に問題なく繁盛しているのに後を継いでくれる人がいなくて廃業してしまうところも少なくありません。せっかくお客さんが来ているのにこんな形で廃業になるのは非常にもったいないっていう思いがあります。
ー確かに需要はあるのにそれを提供できる場所がなくなるのは非常にもったいないですね。
久保田:あとはちょっと変わった話に聞こえるかもしれないんですが、外国の特に欧米人の方々に多いのですが福岡で仕事をして能古島に済むことをステータスに感じる文化があるんですね。 都会から少し離れた島にわざわざ船で通うっていうのが欧米ではうらやましいみたいでそういった人達に能古島に居住してほしいと思ってます。
ーなるほど、別荘じゃないけどちょっとした離島に住むっていうのが欧米の方にはウケが良いんですね。
久保田:そう、ただそこも能古島の問題で、今のところ能古島では新しく家を建てられなかったり、住むことができる空き家が無いっていう問題があり移住を受け入れられる状況にないという問題があります。
ー空き家はあるけど住める貸し出せる空き家が無いというわけですね。
久保田:あとはやっぱりすぐに病院に行けなかったり、緊急車両に時間がかかるっていうのは能古島に住んでて不便に感じる部分ではあります。ただ、そういうときは臨時便が出たり本当に緊急の時はドクターヘリが来てくれるので言うほど不便でもなくなってきています。
ー環境が整備されつつあるんですね。
久保田:そうですね、能古島って離島ですけどおそらく他所の離島にくらべる便利が良い方だと思うんですよ。先ほども申し上げたように福岡市から10分程度で船で来れるわけですし朝は5時から船が出てて夜は最終便が11時まで夜も結構遅くまで本土で遊んで帰ってこれるんですよ。
(能古島と本土を繋ぐフェリー『レインボーのこ号』)
ーたしかに、そう考えるとかなり能古島に住むデメリットってかなり解消されてきてるかもしれませんね。
久保田:島民のほとんどが顔見知りっていうこともあって治安も良いですし暴走族が夜走り回るなんてことも皆無なんで能古島に住むメリットは十分にあると思います。
ーわかりました、それでは最後にこれからの『のこのしまアイランドパーク』の展望を伺っても良いですか。
久保田:まず現在進行中の宿泊施設の建て替えも含め1つ1つグレードアップをはかっていきたいです。
(新たにオープンしたばかりの「Villa防人」。海をながめることができ、リゾート気分を味わうことができる。)
「花があるからアイランドパーク来てください」っていうPRだけだとやっぱり弱くてイベントだったりウエディングなど、サービスの質を向上をしなければなりません。普段から私たちはできる限りお客様がお金を掛けずに楽しめるものは無いかと模索しています。それがひな祭りであったり、端午の節句で子供に鎧兜を来てもらう企画などにつながってきました。お客様からお金だけ頂戴して後はほったらかしなんてことをしてたら長続きはしません。お客様にアイランドパークを楽しんでもらってまた来たいって言ってもらえるような工夫を凝らし続けていくことが一番大事なことだと私は思います。
ーなるほど、お客様に満足していただきたいという思いから発想が生まれ、質の高いサービスにつなげたことで能古島を福岡有数の観光名所に成長させてきたということですね。本当に今日は貴重なお話を沢山有難うございました。
久保田:これからコスモスのシーズンも到来してくるので能古島並びにのこのしまアイランドパークに是非遊びにいらしてください。こちらこそ今日はありがとうございました。
久保田観光 株式会社(のこのしまアイランドパーク)
代表取締役 久保田 晋平 さん
能古島で親子2代にわたって国定公園『のこのしまアイランドパーク』を操業。
能古島に年間15万人以上の観光客が訪れる福岡でも有数の観光名所まで育て上げる。
【のこのしまアイランドパーク】
住所:福岡市西区能古島
お問合せ:092-881-2494
BBQ・宿泊予約専用番号:092-881-4474